好調な企業業績の発表を受けて投資家心理が改善し、朝方は幅広い銘柄に買いが先行した。日経平均は上げ幅を200円超に広げ、18日に付けた年初来高値(2万8658円)を上回る場面もあった。半面、利益確定売りや米景気の先行き不透明感が重荷となり、取引終了にかけ上げ幅を縮めた。
24日の取引終了後に市場予想を上回る2024年3月期(今期)の連結純利益見通しを発表したニデックが一時4%高まで買われた。政府が次世代半導体の国産化のため新たに資金を補助すると伝わったのが材料視され東エレクなど値がさの半導体関連株が買われて相場を押し上げた。
買い一巡後は伸び悩んだ。日経平均が年初来高値を上回って推移する場面では個人投資家を中心に利益確定売りが出た。
米地銀のファースト・リパブリックが決算を受けて時間外取引で急落していたことが投資家心理を悪化させ、上値を抑制。今晩控える米IT大手の決算を前にした警戒感もくすぶり、後場は上げ幅を縮める動きが続いた。
3月のシリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻以降、一部中堅銀行は預金流出に見舞われており、金融不安の再燃や融資基準の厳格化による米景気の悪化懸念が強まったことが相場の重荷となった。
市場からは「しっかりはしているが、利益確定売りに抑えられ、上ヒゲ陰線が続いている。決算発表待ちで、日銀の金融政策決定会合(27−28日)などイベントを控え、気合いを入れて買う場面ではない」との声が聞かれた。