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【大引け概況】


25日の日経平均株価は小幅に続伸し、前日比26円55銭(0.09%)高の2万8620円07銭で終えた。
 
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好調な企業業績の発表を受けて投資家心理が改善し、朝方は幅広い銘柄に買いが先行した。日経平均は上げ幅を200円超に広げ、18日に付けた年初来高値(2万8658円)を上回る場面もあった。半面、利益確定売りや米景気の先行き不透明感が重荷となり、取引終了にかけ上げ幅を縮めた。
 
24日の取引終了後に市場予想を上回る2024年3月期(今期)の連結純利益見通しを発表したニデックが一時4%高まで買われた。政府が次世代半導体の国産化のため新たに資金を補助すると伝わったのが材料視され東エレクなど値がさの半導体関連株が買われて相場を押し上げた。
 
買い一巡後は伸び悩んだ。日経平均が年初来高値を上回って推移する場面では個人投資家を中心に利益確定売りが出た。
 
米地銀のファースト・リパブリックが決算を受けて時間外取引で急落していたことが投資家心理を悪化させ、上値を抑制。今晩控える米IT大手の決算を前にした警戒感もくすぶり、後場は上げ幅を縮める動きが続いた。
3月のシリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻以降、一部中堅銀行は預金流出に見舞われており、金融不安の再燃や融資基準の厳格化による米景気の悪化懸念が強まったことが相場の重荷となった。
 
市場からは「しっかりはしているが、利益確定売りに抑えられ、上ヒゲ陰線が続いている。決算発表待ちで、日銀の金融政策決定会合(27−28日)などイベントを控え、気合いを入れて買う場面ではない」との声が聞かれた。
 
 
東証株価指数(TOPIX)は続伸し、4.81ポイント(0.24%)高の2042.15で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で2兆3472億円。売買高は9億6206万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1079と、全体の6割を占めた。値下がりは666、変わらずは91銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は証券・商品先物取引業、銀行業、建設業、不動産業などが上昇。鉄鋼、海運業などは下落した。
 
個別では、三井住友、みずほFGの銀行、三井物産、三菱商事の商社、JR東海、JR東日本の陸運、HOYA、信越化学の値がさ株の一角が堅調。経済産業省が次世代半導体の国産化を追加支援との報道を受け、東エレク、アドバンテストの半導体株の一角がしっかり。ファストリ、野村、任天堂も上げた。三菱電機は自動車機器事業の構造改革を発表して大幅高。後半失速したが決算を手掛かりにニデックが買い優勢となり、コーエーテクモHDも決算を材料に買われた。業績予想を上方修正した大和ハウス工業、配当予想を引き上げた住友ベークライトは大きく上昇。レーティング格上げを受けて乃村工藝社も大幅高。
 
一方、日本製鉄、神戸製鋼所、郵船が売られた。三越伊勢丹も安い。ファナックとソフトバンクグループも下落した。DOWA、三菱マテリアルの非鉄金属なども軟調。ルネサス、レーザーテック、スクリンなど半導体株は国策期待で買い先行も失速して結局下落。三井ハイテック、イビデン、新光電工などハイテクの一角も安い。ほか、Sansan、Appier、SHIFT、MSOLなどグロース(成長)株の下落が目立った。