朝方から買い優勢の展開。前日の欧州株市場がほぼ全面高となったほか、米国株市場でも景気敏感株を軸に幅広く買い戻される地合いとなったことで、投資家のセンチメントが改善した。ただ、買い一巡後は中小型株を中心に値を下げる銘柄が多くなった。
日経平均株価は前場取引時間中に230円あまりの上昇で2万6000円にあと50円強まで迫ったものの、その後は伸び悩み、取引時間中を含め大台を回復する場面はみられなかた。後場も2万5800円近辺の狭いレンジでもみ合う展開となり上値の重さを印象づけた。引き続き日銀の金融政策修正に対する警戒感が買い手控え要因となっているもようだ。
4日に発表されたフランスの2022年12月の消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回る伸びとなるなど、ユーロ圏ではインフレ減速の兆しが出ている。米経済指標も低調で、当局による金融引き締めに対する過度な警戒が和らぎ、前日の欧米市場では金利が低下するなか株価が上昇。日本株にも買いが波及した。半導体関連などの大型グロース(成長)株が大きく上げ、指数の上昇に寄与した。
週初に1ドル=129円台まで進んだ円高・ドル安が一服し、1ドル=132円台まで円安が進んだことも株価を下支えした。
ただ、上げ一巡後は伸び悩む展開となった。日銀の金融政策の修正の行方が見通しにくく、「欧米株の上げに日本株が連動しづらい状況となっている」との見方があった。前日に上げていた銀行株や保険株は金利低下を受けて軟調な動きが目立った。
市場では「アップルが部品納入業者に対し生産縮小を要請したと報じられ、企業業績の先行き不透明感が幅広い銘柄に及んでいるようだ。企業収益を確認したいとして見送り姿勢が長くなることも想定される」との慎重な声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は5営業日ぶりに反発し、0.75ポイント(0.04%)高い1868.90で終えた。東証プライムの売買代金は概算で2兆5881億円、売買高は11億2800万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は662銘柄。値下がりは1114と約6割。変わらずは62銘柄だった。