朝方は買い優勢の展開となったが、手掛かり材料不足のなか上値の重さが意識される展開となった。前日の米国株市場ではNYダウが終値で初の2万9000ドル台に乗せたものの後半伸び悩み、ナスダック総合指数は終盤にマイナス圏に沈む場面もあり、売り圧力も意識された。米中貿易協議は第1段階の合意文書の署名が行われたが、これについては織り込みが進んでおり、東京株式市場でも目先は買いポジションを軽くする動きがみられた。
新規の手掛かりは乏しく、個別に材料が出た銘柄が物色された。厚生労働省が中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎の国内初患者を確認したと発表し、第一三共や中外薬などの医薬品株が買われ相場の支えになった。
米中の合意文書の署名を受け、目先の好材料がいったん出尽くしたとの見方からSMCなどの機械株や太陽誘電、安川電といった中国関連は利益確定売りが優勢となった。
市場では「景気の先行指数とされる工作機械受注は昨年12月が前年同月比34%減(速報値)とさえず、20年3月期第3四半期(19年3−12月)の決算に対する期待感やや後退し、手控えにつながった」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続落した。終値は前日比13.23ポイント安の1万5480.75だった。東証株価指数(TOPIX)は続落し、2.34ポイント安の1728.72で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆9376億円。売買高は10億3301万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は654、値下がりは1406、変わらずは100だった。