きょうは方向感が定まらず、買い手控えムードのなか、日経平均は結局小幅マイナス圏で着地した。前日の米国株市場がメモリアルデーで休場だったため、手掛かり材料難のなか上値も重かった。国内の長期金利上昇が嫌気され半導体関連などハイテクセクターに逆風が意識され、全体指数の上値を重くした。日銀による金融緩和政策の変更を警戒する動きで、国内長期金利の上昇も止まらず投資マインドを冷やす格好となっている。
ただ一方では、金利高が追い風となる銀行や生保など金融株が堅調だったほか、電力や海運などにも投資資金が流れ込み相場を下支えした。売買代金は3兆7000億円台で前日よりは膨らんだものの、4兆円台を割り込む水準が続いている。
長期金利は一時1.035%と約12年ぶりの高水準をつけた。日銀が6月の金融政策決定会合で国債買い入れの減額など金融政策の正常化に向けた動きをさらに進めるとの見方から国内金利に上昇圧力がかかっている。金利の上昇局面で売られやすいハイテク株に売りが出て、レーザーテク、アドテスト、東エレクといった半導体関連の下げが目立った。レーザーテクは後場に一段安となった。
半面、割安株には個人投資家などによる買いが向かい、業種別では銀行や海運、電力の上昇が目立った。日経平均も前場に140円ほど下げた後は底堅く推移した。
米国では28日、米連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事やサンフランシスコ連銀のデイリー総裁などの発言機会が予定されているほか、コンファレンスボードによる5月の消費者信頼感指数が発表される。年内の利下げ回数がどうなるのか見定めにくい状況のなか、FRB高官によるタカ派的な発言が相次いで出てくるのか、見極めたいと考える向きが多い。