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【大引け概況】



28日の日経平均株価は反発し、終値は前日比241円54銭高の3万9583円08銭だった。

 
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前日の米株式市場では、NYダウとナスダック指数は上昇した。これを受け、東京株式市場も買いが先行する展開となり、日経平均株価は午前10時50分過ぎには一時400円を超える上昇となった。TOPIXは一時、年初来高値を上回る場面があった。しかし、後場にかけて上昇幅は縮小した。四半期末ということもあり、持ち高調整の動きも強まったほか、今晩の米5月個人消費支出(PCE)デフレーター発表を前に積極的な売買は控えられた様子だ。大手銀行や生損保、証券など金融株が値を上げ、半導体関連株も反発した。
 
ソフトバンクグループ(SBG)のほかアドテスト、東エレクなど半導体関連の上昇が相場をけん引した。27日の米株式市場では米半導体のマイクロン・テクノロジーが決算を受けて大幅下落したが、同社は26日の時間外取引ですでに急落していたため、東京株式市場では織り込み済みと受け止められた。
 
外国為替市場で円相場が一時1ドル=161円台に下落するなど円安・ドル高の進行は輸出関連株の買いを誘った。トヨタやホンダなど自動車株が円安が進む場面で強含んだ。円安による輸入物価の上昇を通じて国内物価にはさらなる上昇圧力がかかるとの見方も意識されるなかで、国内の長期金利は上昇を試している。三菱UFJ、三井住友FGといった利ざや拡大が意識されやすい金融関連株などへの買いも活発になった。
 
日経平均は前場に440円ほど上昇したが、後場に入ると上げ幅を縮小した。期末とあって国内機関投資家などから持ち高整理の売りが出やすかった。日本時間今夜には5月の米個人所得・個人消費支出(PCE)の発表を控える。米金融政策の先行きを見極めるうえで重要なデータのひとつとあって様子見ムードも広がった。資生堂など業績が中国景気に影響されやすいとされる銘柄の一角には売りが膨らんだ。
 
11月の米大統領選に向けた第1回のテレビ討論会が米東部時間27日午後9時(日本時間28日午前10時)から開催された。民主党のバイデン大統領と共和党のトランプ前大統領がインフレや不法移民問題などを巡って論戦を交わした。
 
米CNNテレビの緊急世論調査によると、今回のテレビ討論会について67%が「トランプ氏が勝利」と回答した。「バイデン氏勝利」は33%だった。トランプ氏が大統領選を優位に進める場合はさらなる財政圧迫や中国との関係悪化への警戒感が株式相場にとって逆風になるという見方もある。ただ、今回のテレビ討論会だけでは大統領選の先行きを占うのは困難だとして株式市場では材料視する動きは限られた。米株価指数先物も日本時間28日の取引で小幅な値動きにとどまった。
 
日米の金融政策に対する不透明感が拭えない状況では、積極的に上値を買い上がれないとの見方も多い。また、円安進行のスピードが速まれば、国内輸入物価の上昇につながり、国内景気には悪影響となる一方、輸出企業にとっては収益押し上げ要因になるなど強弱感が対立し、株式市場がどのような反応を示すのか見極めたいところだろう。
 
 

東証株価指数(TOPIX)は反発した。終値は15.93ポイント(0.57%)高の2809.63だった。取引時間中には年初来高値を上回る場面もあった。JPXプライム150指数も反発し、4.66ポイント(0.38%)高の1233.40で終えた。
 
東証プライムの売買代金は概算で4兆2833億円、売買高は17億1853万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は660、値下がりは924、横ばいは61だった。
 
業種別株価指数(33業種)は保険業、銀行業、海運業、鉱業などが上昇した。下落は食料品、非鉄金属など。

個別銘柄では、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループが高く、東京海上ホールディングスやMS&ADインシュアランスグループホールディングス、野村ホールディングスが値を上げた。レーザーテックやディスコ、東京エレクトロンも買われ、ファナック、ソフトバンクグループも上昇した。トヨタ自動車やソニーグループ、三菱重工業、伊藤忠商事が値を上げた。
 
半面、日立製作所やJTが安く、東京電力ホールディングスや楽天グループ、資生堂が軟調。ニデックや任天堂、NECが安い。KADOKAWAが急落した。中外薬、花王、ニデック、オムロンが下落した。