前日の米国株式市場は、NYダウ、ナスダック総合指数がともに反落したが、シカゴ市場で日経平均先物の円建て清算値が堅調だった流れを引き継ぎ、朝方から買いが優勢だった。
投資指標面で割安感が強まった好業績銘柄に対し、国内機関投資家や個人が押し目買いに動いた。
ただ、午前中や午後の取引開始直後には、相場変動率が高まると運用リスクを減らそうとするヘッジファンドなどから売りが出た。明日のオプションSQを控え、株価指数先物に仕掛け的な売りが重なり、日経平均は上げ幅を4円程度まで縮める場面があった。
午後に入り、GLOBEX(シカゴ先物取引システム)で米株価指数先物が上昇すると、投資家心理がやや改善した。外国為替市場で円相場が1ドル=109円半ばまで下落したのも買い安心感を誘った。
午後2時、内閣府の1月景気ウォッチャー調査の発表をきっかけに、株価指数先物が再び上昇幅を拡大した。午後2時21分に、同331円66銭高の2万1977円03銭の高値を付けた。その後は、戻り待ちの売りに押された格好となった。
日経平均の日中値幅は327円と前日(726円)から縮小した。
JPX日経インデックス400は続伸し、前日比142.49ポイント高の1万5639.19だった。東証株価指数(TOPIX)も続伸し、15.78ポイント高の1765.69だった。
東証1部の売買代金は概算3兆5495億円、売買高は18億2042万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1485、値下がりは509、変わらずは71銘柄だった。
個別では、トヨタ自動車が高く、ソフトバンクグループも買い優勢。ファナックや東エレクが上げた。資生堂が買われ、コマツも高い。業績上方修正の日本電子材料やイノテック、大幅増益決算のシンクロ・フード、日精エー・エス・ビー機械がストップ高となったほか、ダイトロン、日本カーバイド工業、バリューコマース、オオバなども値を飛ばした。
半面、任天堂、SMCやソニーが下げた。明治HDが売られ、スルガ銀が安い。
東洋エンジニアリング、タカラトミーが急落、イソライト工業も大幅安。安藤ハザマ、アイスタイルなどの下げも目立つ。シグマクシス、ディー・エル・イーも安い。
東証2部株価指数は前日比86.02ポイント高の7296.58ポイントと続伸した。値上がり銘柄数は363、値下がり銘柄数は112となった。
個別では、パシフィックネット、カワサキ、倉庫精練、川崎化成工業がストップ高。マルゼンは一時ストップ高と値を飛ばした。伊勢化学工業、MCJなど6銘柄は昨年来高値を更新。カワタ、アライドテレシスホールディングス、リミックスポイント、ヤマシナが買われた。
一方、アピックヤマダが一時ストップ安と急落した。オーベクス、ヨネックス、コマニーは昨年来安値を更新。富士ピー・エス、平和紙業、田辺工業、ロブテックスが売られた。