約2カ月半ぶりの高値圏とあって、3月期決算を控えた国内の金融機関などから戻り待ちの売りが出た。
米中貿易協議の進展への期待から米国株が上昇し、為替も1ドル=111円台まで円安が進んだ。この流れを引き継ぎ、東京株式市場の寄り付きは買いが優勢で、日経平均株価は約2カ月半ぶりに2万1600円台に上昇した。自動車など輸出関連株に買いが先行した。
しかし、前場半ばから円相場が110円台後半に上昇し、米国株先物が下落すると戻り売り圧力が強まった。
後場は、下げ幅を拡大した。昼休みの時間帯に「インド軍がパキスタン実効支配地域を空爆」と報じられ、投資家心理が後退。時間外取引で米株価指数先物が軟調に推移したこともあり、一時2万1405円84銭(前日比122円39銭安)まで下落した。その後は下げ渋ったが、戻りは鈍かった。
前日時点で東証1部の騰落レシオは110%台と過熱領域に近く、日経平均2万1500円近辺は3月期末を控えた機関投資家の決算絡みの売りが厚かった。海外ファンドの先物売りも全体の地合いを悪くした。
市場からは「インドのパキスタン空爆報道に反応したが、ズルズルと下げるほどの材料でもなく一過性の売りに終わった。ただ、下値は限られたが、それ以上に上値の重さが認識された」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反落した。終値は前日比32.50ポイント安い1万4367.28だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、3.67ポイント安の1617.20で終えた。
東証1部の出来高は10億7847万株、売買代金は1兆8969億円。騰落銘柄数は値上がり726銘柄、値下がり1250銘柄、変わらず107銘柄。