寄り直後に260円ほど高い場面があったが、その後はいったん上げ幅を縮小。しかし前場後半を境に再び買い意欲が高まった。前週末の米株市場でS&P500指数が過去最高値をつけたことが日本株の出遅れ感を浮き彫りとし、広範囲に買いを誘った。15〜16日に開催されるFOMCの結果を見極めたいとの思惑はくすぶるが、米長期金利が足もと1.4%台で推移していることが、投資家の不安心理を抑制した。
米長期金利が足元で低下傾向にあるのを受け、高PER(株価収益率)のグロース(成長)株に見直し買いが入った。きょうは海運株が業種別値上がりトップに買われたほか、半導体関連株なども強い動きで全体相場を支えた。
国内ではワクチンの職場接種の開始が一部で前倒しされるなど、接種が一段と広がる兆しがある。東京や大阪など10都道府県を対象にした緊急事態宣言の解除期限を20日に迎え、宣言が解除されれば国内経済が再び動き出すとの見方が日本株の買いを誘った。
13日に閉幕した主要7カ国主要会議(G7サミット)では、新型コロナ対策を巡り、途上国への10億回分のワクチン提供に合意し、2022年には世界的な感染を収束させる目標を掲げた。東京五輪・パラリンピックについては「安全、安心な形での開催を支持する」と表明し、前向きに捉える向きも見られた。
一方で、アジアの株式市場は中国や台湾が休場で、積極的に売り買いをしにくいムードもあった。持ち高を一方向に傾ける動きは限られ、薄商いだった。東証1部の売買代金は概算で1兆9646億円と、2兆円を割り込み1月18日以来の低水準。売買高は8億5423万株だった。
JPX日経インデックス400は4営業日ぶりに反発した。東証株価指数(TOPIX)も4日ぶりに反発し、5.73ポイント高の1959.75で終えた。
東証1部の値上がり銘柄数は1109と、全体の約5割を占めた。値下がりは972、変わらずは113だった。