
きょうの東京株式市場は強気一辺倒の地合いで、朝方取引開始後すぐに5万円大台乗せを達成。その後も波状的な買いが続き、後場後半になると先物買いを絡める形でほぼ一貫して水準を切り上げる展開となった。
前週末の米国株市場では、9月の米消費者物価指数(CPI)がコンセンサスを下回る内容だったことでFRBによる利下げ期待が高まり、NYダウ、ナスダック総合株価指数、S&P500指数が揃って史上最高値を更新。27日の東京株式市場でもアドバンテストや東京エレクトロンのほか、ソフトバンクグループ(SBG)など人工知能(AI)関連株が買われた。
外国為替市場でも一時1ドル=153円台での推移と円安が進んだことも東京株式市場に追い風となった。トヨタの時価総額は昨年12月以来となる50兆円台に乗せた。
トランプ米大統領の来日で、あすには高市早苗首相との日米首脳会談を控えており、これを前に政策期待の買いが全体指数を押し上げた格好だ。AI・半導体関連株を買い戻す動きが顕著で、投資家のセンチメントを強気に傾ける背景となっている。
市場関係者は「AI関連株買いの勢いは強く、日経平均の5万円は単なる通過点とみる投資家が多い」と指摘。ただ、「米中の対立緩和や米国の利下げ継続など期待先行で相場が上昇しただけに、米雇用情勢の悪化などに目が向かった場合は短期的に調整する可能性は否定できない」とみていた。
日経平均は5万円を突破した。21日の高値を一気に突破してきたことで、売り方の買い戻しの動きが強まった面もあるだろう。過熱感が警戒されてくる可能性はあるものの、あすの高市首相とトランプ米大統領による首脳会談において、良好な日米関係が示されるようであれば、市場はポジティブに評価することになりそうだ。ただし、30日の米中首脳会談で進展を見極めたいところでもあり、利食いが強まる展開も意識しつつ、押し目狙いのスタンスに向かわせそうだ。