前日の米株式市場では、NYダウが534ドル高と5日ぶりに急反発した。14日発表の9月の米卸売物価指数(PPI)は市場予想を下回り、過度なインフレ懸念が後退した。これを受けた東京株式市場も買い先行となり、半導体関連株やFA関連株などが値を飛ばした。日経平均株価は、前場にテクニカル上のポイントとなっていた200日移動平均線(2万8743円)を上抜くと、上昇に弾みがつき午後2時過ぎに心理的なフシである2万9000円台を回復した。
為替市場では1ドル=114円台への円安が進行で自動車や機械など輸出関連株の一部が上げ幅を広げた。中国や香港、シンガポールなどアジア市場で株価が上昇したことも安心感につながった側面がある。
足元では新型コロナウイルスの感染が低水準に抑えられ、経済活動再開への機運が高まっている。31日投開票の衆院選を前に経済政策への期待から、日本株への買いが断続的に入っている。日経平均先物には売り方の買い戻しも入り、指数を押し上げた面もあるようだ。
市場からは「海外株高に円安がフォローになり、『解散・総選挙は買い』というアノマリー(説明のつかない法則)も乗っかっているようだ。ただ、日経平均2万9000円から上はそう簡単には進めないのではないか」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は続伸した。東証株価指数(TOPIX)も続伸し、終値は前日比36.96ポイント高の2023.93で終え、9月30日以来の2000台を回復した。
東証1部の売買代金は概算で2兆8420億円。売買高は11億4320万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1989と、全体の約9割を占めた。値下がりは155、変わらずは40だった。