前週末の米国株式相場や欧州主要国の株価指数が軒並み上昇したことや、外国為替市場で対ドル・対ユーロで円高が一服したことを受け、投資家心理が改善した。
米長期金利の低下が一服したことで、割安株とされる三井住友FGなどの銀行株や証券、建設株などに買い戻しが入り、寄り付き直後に200円超まで上昇した。
後場は中国・上海などのアジア株が総じて堅調に推移したことが投資家心理の支えとなったが、積極的に上値を追う展開にはならなかった。
上値が重いとみた海外の短期筋が利益確定目的の売りを出したことが、相場を下押した。
中国の通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)を巡り、日本経済新聞電子版が19日朝、「トランプ米大統領が猶予期間の延長の是非について『あす(19日に)決断する』と説明し、結論に含みを持たせた」と報じ、警戒した一部の投資家によるリスク回避目的の売りもみられた。
中国やドイツの経済指標悪化などで世界経済の減速懸念が根強く、米中通商協議の行方を見極めたい思惑もあり、積極的に買いにくい状況が続いている。
国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)での米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長講演を控え、発言を見極めたいという投資家も多く、売買代金は4営業日連続で2兆円を割りこみ、7月4日以来およそ1カ月半ぶりの低水準だった。
市場では「先行き不透明感が強いなか、主力銘柄は手掛けづらいことから、材料の出た銘柄や好業績銘柄などへの個別物色が中心になりそう」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は続伸し、前週末比9.04ポイント高の1494.33で終えた。JPX日経インデックス400も続伸し、終値は前週末比76.21ポイント高の1万3323.15だった。
東証1部の売買代金は概算で1兆5433億円、売買高は9億499万株だった。値上がり銘柄数は1518、値下がり515、変わらず117だった。