週末を控え心理的節目の2万8000円近辺で利益確定などの売りに押された。
前日の米株式市場では、NYダウは7ドル安と小幅続落。米連邦準備制度理事会(FRB)高官によるタカ派発言などが警戒され、軟調な値動きとなった。この流れを受けた東京株式市場は、円安も追い風となり朝方は買い先行で一時、日経平均株価の上昇幅は100円を超し2万8000円台を回復した。ただ、一段の上昇には手掛かり材料に欠けるなか上値は重く、週末で利益確定売りが優勢となり、後場は小幅安での一進一退が続いた。
米セントルイス連銀のブラード総裁が17日、一段と利上げが必要との見方を示したのも重荷になった。米利上げ減速の観測がやや後退して前日の米長期金利が上昇(債券価格は下落)し、東京市場でグロース(成長)株などへの売りを促した。ソフトバンクグループ(SBG)は4%近く下げ、1銘柄で日経平均を50円ほど押し下げた。
市場は方向感に欠けた展開が続くなか、米国ではボストン連銀のコリンズ総裁やアトランタ連銀のボスティック総裁の講演が予定されている。今月に入り、市場予想を下回る弱い米経済指標を受け、12月の米利上げ幅は0.5%にとどまり、かつ来年半ば以降の利下げ観測が強まりつつある。ただ、FRB高官からこうした観測をけん制する発言が出てくるのか見極めたいと考える投資家が多いため、引き続き米国動向に振らされる展開となろう。