下げ幅は4月19日の1011円を上回って今年最大となり、2021年2月26日(1202円安)以来およそ3年5カ月ぶりの大きさとなった。
前日の米株式市場では、NYダウは小幅に続伸したものの、半導体関連株などハイテク株が下落しナスダック指数は8日ぶりに急反落した。為替も一時1ドル=157円台へ急激な円高が進行した。政府・日銀による為替介入が実施されたとの観測も浮上した。これを受けた東京市場は値を下げてスタート。前日まで連日で史上最高値を更新していたこともあり利益確定売りが膨らんだ。円高の進行も警戒されるなか半導体関連株などに売りが膨らみ、日経平均株価は4万2000円を割り込み前日比で1000円を超す下落となった。今日は株価指数オプション7月物の特別清算指数(SQ)算出日で出来高も膨らんだ。半導体関連や自動車、銀行、機械株などが安く、不動産株がしっかり。
前日の米市場でナスダック総合株価指数は8営業日ぶりに反落した。東京株式市場でもこのところ上昇が目立っていた値がさ株が売られ、ソフトバンクグループ(SBG)が13営業日ぶりに反落したほか、東エレクやアドテストが大幅に下落した。株価指数オプション7月物の特別清算指数(SQ)の算出に向けて、株価水準を高く維持したい投機筋の思惑的な買いが前日までの日経平均の急上昇を演出していたとの見方があり、SQ算出をきっかけに利益確定売りが膨らんだ面があった。
外国為替市場で円相場が前日夕時点に比べて大きく円高・ドル安に振れ、円高基調への転換を警戒する雰囲気も輸出関連など主力株の重荷となった。政府・日銀が為替介入に踏み切ったとの観測に加え、日銀が対ユーロでレートチェックを実施したとの報道もあった。東京市場はあすから3連休となるが、連休中の為替介入などで円相場の水準が大きく変わる可能性も警戒され、持ち高調整の売りが出やすかった。
一方で出遅れ感のある内需関連などには見直し買いも入り、東証プライムの値上がり銘柄数は1020と全体の約6割を占めた。値下がりは573、横ばいは51だった。東証株価指数(TOPIX)の規模別株価指数では大型が1.74%安だった一方、小型は0.47%高にとどまり、市場では大型株に比べて出遅れていた小型株に物色が向かったとの見方があった。
日経平均は下期入り後の強い上昇が続き、過熱感は警戒されていた。そのため、きょうの下落も当然の一服と見る向きが多い。ただし、物色対象が変化したことから、この流れが継続するかを見極める必要があるだろう。米国では12日からJPモルガンなど金融機関の決算発表が始まるなど投資家の関心は徐々に企業業績に向かうことが想定され、米金融株の良好な決算が材料視されるようだと、ハイテク株からの資金シフトに向かわせる可能性はありそうだ。