米中通商協議に対する進展期待が高まりや円相場が1ドル=107円40銭近辺まで下落し、値ごろ感のある銘柄を中心に買いが先行した。
採算改善期待から自動車などの輸出関連株が買われたほか、米長期金利の上昇を受け、利ざや縮小による業績悪化懸念が後退した銀行や保険株も上昇した。
金利の低位安定を前提に買いの持ち高が積み上がっていた成長株から割安株に海外投資家が資金を移す動きが鮮明だった。上げ幅は100円を超える場面もあった。
ただ、日経平均は6営業日で約770円上昇したこともあり、利益確定売りが出るなど上値は重かった。また、中国の8月卸売物価指数は、低下幅が3年ぶりの大きさとなり、中国景気の減速リスクが意識され、中国・上海株式相場が軟調に推移したことも重荷となった。
市場からは「米金融緩和期待をベースに買い戻し主体の動きだ。ただ、バリュー系に資金シフトし、9月権利取りの動きも出掛かっている。とりあえず、17−18日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)までは底堅いのではないか」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は4日続伸し、6.88ポイント高の1557.99で終えた。JPX日経インデックス400も4日続伸、終値は前日比42.69ポイント高の1万3919.91だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆2702億円。節目の2万円を2営業日ぶりに上回った。売買高は14億1720万株と、8月6日以来、1カ月ぶりの水準に増加した。値上がり銘柄数は1357、値下がり729、変わらず65銘柄だった。