朝方は売りが先行した。前週末の米株式市場では米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの見方から、主要3指数がそろって下落。この流れを受けて、日経平均は下げて始まり、下げ幅が一時200円を超えた。
寄り後はすぐに押し目買いが活発化し、日経平均は急速に下げ渋る動きをみせた。前場後半を境に上昇に転じ、後場は一段高に買われる展開で2万7900円台後半まで水準を切り上げる場面があった。米株価指数先物が日本時間6日の取引で堅調に推移し、日本株の買い安心感につながった。外国為替市場で円安・ドル高が進み、自動車や機械など輸出関連銘柄の一部の支えとなった。日経平均の上げ幅は200円を超える場面があった。
岸田政権内で「GoToトラベル」の再開が検討されていると伝わり、内需関連株に物色の矛先が向いた。また、防衛関連株への買いも目立った。日経平均は3月30日以来の高値をつけた。
前週末には観光需要喚起策「Go To トラベル」の再開が政府内で浮上していると伝わった。空運や鉄道、百貨店など関連する内需株の上昇が目立った。政府は経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)を7日に閣議決定することを目指している。岸田文雄政権としては初の骨太の方針で、成長戦略も盛り込まれる見通し。政策的な経済の下支えへの期待も引き続き日本株を支える材料になっている。
レモンド米商務長官が5日に対中制裁関税を引き下げる候補として日用品や自転車が候補になるとの見方を示したと伝わった。米国の高インフレに対応するためとみられ、関税引き下げが米中の経済にはプラスになるとの見方も、株式市場にはポジティブに受け止められたようだ。
市場からは「オプションに絡んだ短期的な需給によるものではないか。権利行使価格2万8000円コール(買う権利)の売り手による先物ヘッジ買いの影響もあるだろう。上値を試す可能性もあるが、戻り売りへの警戒感もあり、相場は不安定化しやすいとみられる」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。終値は前週末比5.97ポイント(0.31%)高の1939.11。4月5日以来、約2カ月ぶりの高値だった。朝方は売りが先行していた。
東証プライムの売買代金は概算で2兆3223億円。4月19日以来、2カ月半ぶりの低水準となった。売買高は10億182万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1029と、全体の6割弱を占めた。値下がりは713、変わらずは95だった。