15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は、米利下げ期待が高まるなか4日続伸し約2カ月ぶりに最高値を更新した。13日にトランプ前大統領に対する銃撃事件が発生し、これにより同氏の支持率が高まり11月の米大統領選で勝利する公算が高まったとの見方が浮上。減税や規制緩和などの実施による「トランプトレード」への期待が膨らんだ。この米株高を好感し、3連休明けの日経平均株価は値を上げてスタート、一時300円超の上昇となった。トランプ氏の再選期待を背景に防衛関連や建機、銀行株などが買われた。ただ、足もとで為替は1ドル=158円60銭前後と円高で推移しているほか、日経平均株価も最高値圏にあり利益確定売りも出やすく、買い一巡後は日経平均の上値は重かった。
日経平均は前週末12日に急落したものの、6月後半からの急ピッチな上昇での過熱感は依然、残っているとの見方が根強く、上値では利益確定や戻り待ちの売り圧力が強まった。外国為替市場で11日と12日に連日で日本政府・日銀による円買い介入観測が聞かれており、円相場の先行き不透明感から輸出関連の一角には売りが優勢だった。
市場関係者は日経平均が先週、4万2000円を上回るような上昇となったことに対し、「急ピッチの印象だった」と指摘。円安を背景とした業績期待は根強く、下がった場面では買いたいと考える投資家は多いが、「一段の上値追いには月後半に発表が本格化する4〜6月期決算の内容をみる必要がある」と話した。