前日の米株安や外国為替市場での円高・ドル安が重荷となり、朝方から幅広い銘柄に売りが出た。日銀がきょうまで開いた金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の運用の柔軟化を決め、後場には先物主導で売りが加速する場面があった。下げ幅は一時850円を超えたが、大引けにかけては下げ渋った。
日銀が金融政策会合で長短金利操作の柔軟な運用(YCC)を議論すると伝わったことも影響して500円ほど下げていた。実際、昼過ぎに日銀がYCCの柔軟化を発表すると市場は上下に大きく振れて不安定な動きに。終盤は下げ渋って日銀の政策変更を何とか消化する方向へ持って行けたような引けとなった。
昨日の米国市場は利上げ継続観測の再燃でダウ平均は14日ぶりに反落した。朝方は4−6月GDP速報の上振れや強い6月の耐久財受注を好感して買いが先行したものの、高値警戒感などから次第に売り優勢に転じその後はマイナス圏へと落ちてしまった。景気指標のあまりの良さに長期金利が上昇に転じた後半相場からは下げがやや加速。ダウ平均は直近13日間で1800ドル近くも上げており、こうした材料をきっかけに目先筋が一斉に利益確定売りに走ってしまったようだ。
為替市場では円相場が円高・ドル安に振れ、東京株式市場では自動車株など輸出関連銘柄を中心に売りが先行した。
後場は荒い値動きとなり、日中値幅(高値と安値の差)は809円42銭と、今年2番目の大きさを記録した。日銀が午後の取引開始直前にYCCの柔軟化を決めたと発表し、日経平均は前日比40円程度安まで下げ渋ったものの、その後は外国人投資家とみられる売りが膨らんだ。
大引けにかけては再び下げ幅を縮小した。市場では「日銀が『連続指し値オペ』の利回りを0.5%から1%に引き上げたにもかかわらず、長期金利は思ったほど上がらず、株式市場では買い安心感が広がった」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は反落し、終値は前日比4.53ポイント(0.20%)安の2290.61だった。JPXプライム150指数は7.82ポイント(0.75%)安の1034.23だった。