取引時間中に一時は7月3日の年初来高値(3万3753円)を上回った。もっとも、午後に入ると、高値警戒感から売りが出て伸び悩んだ。
きょうの東京株式市場は先物主導で買い戻しが加速、前日に続いて空売り筋のショートカバーによる踏み上げ相場の様相を呈した。
前日の欧米株市場が総じて高く、米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに9連騰となり、ダウは最高値更新基調が続いていることで、これを引き継ぐ格好となった。日銀の金融政策決定会合でマイナス金利解除が見送られたことで買い安心感が広がっている。また、外国為替市場で1ドル=143円台後半の推移と円安水準で推移したことも半導体セクターなどの株価押し上げ要因となった。日経平均は一時7月3日につけた年初来高値を上回る場面もあった。
前日のNYダウ工業株30種平均が過去最高値を更新するなど、主要株価指数は上昇した。米連邦準備理事会(FRB)による2024年の早期利下げ観測が支えで、米株高をきっかけに東京市場では買いが優勢となった。
日銀は前日まで開いた金融政策決定会合で現状の緩和政策の維持を決めた。会合後に植田和男総裁が早期の政策修正に踏み込んだ発言をしなかったことも支援材料となった。売り方の損失覚悟の買い戻しを巻き込み、日経平均の上げ幅は一時600円を超えた。
ただ、午後に入ると伸び悩んだ。年初来高値圏で推移しているとあって利益確定や戻り待ちの売りが出たほか、主力ハイテクの一角がさえなかったことも上値を抑えた。
日銀リスクが後退した日本株は、今後、史上最高値更新を続けるダウ工業株30種平均など米国市場の主要株価指数と比べ、出遅れ感が強いだけに、次なる節目に向けた修正局面に突入する可能性が高いとの声が聞かれ始めるなど、先高期待感が徐々に強まってきている。ただ、海外勢はクリスマス休暇入りし始めており、今後は市場参加者が減少傾向にある中で、短期筋の仕掛け的な動きに相場が大きく振れる可能性がありそうだ。