11日のNYダウが前日比7ドル安と小反落したが、ナスダック指数は上昇し最高値を更新した。これを受けた休場明けの東京株式市場は、日経平均株価が値を上げて取引を開始した。
ただ、買い一巡後は上値が重く利益確定売りに押される展開。午前10時40分過ぎに一時140円を超す下落となる場面があった。後場に入っても積極的な売買は手控えられ一進一退状態が続いた。週末要因に加え、週明け15日は米国がプレジデンツ・デーで休場となることも手控え気分を強めさせた。
日経平均は米国の追加経済対策などへの期待や企業業績の改善を受け、直近の4営業日で1200円超上昇していた。3万円という歴史的な大台も目前で、短期的な過熱感が意識され売りが出やすかった。米経済対策が最終的にどれくらいの規模で着地するか見極めたいとの雰囲気も、相場の重荷になった。
国内では来週にもコロナワクチン接種が始まる見通しで、次第に経済活動が回復するとの期待が支えとなった。中長期的には経済活動の正常化が進み、株式相場の上昇基調は崩れないとの見方は根強い。相場が下げた局面を押し目買いの好機とみる投資家は多かった。
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の会長職を巡る一連の報道による相場への影響は限定的だった。11日に森喜朗会長の辞任意向が報じられ、日本サッカー協会元会長の川淵三郎氏が後任と伝わった。しかし12日午後には川淵氏が一転して受諾しない考えを示したと報じられた。市場では当初予定通りの大会開催にはそもそも懐疑的な見方が多く、相場の反応は冷めていた。
2020年10〜12月期の決算は「予想以上に業績が改善している」との見方が多く、ここまで株価を支えてきた。しかし、発表シーズンも終盤を迎え「そろそろ材料も出尽くした感じだ」と声が聞かれ始めた。決算発表後には証券各社のアナリストによる投資評価の見直しが行われる。「業績予想や投資判断が上方修正されれば株高要因」と期待する向きもあったが、この日は買いが強まらないまま終わった。
きょう算出を迎えた株価指数オプションとミニ日経平均先物2月物の特別清算指数(SQ)値は、QUICK試算で2万9718円77銭。日経平均は終日、SQ値を下回って推移した。
JPX日経インデックス400は5日続伸。終値は前営業日比23.66ポイント(0.14%)高の1万7474.79だった。東証株価指数(TOPIX)も5日続伸し、3.06ポイント(0.16%)高の1933.88で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆202億円。売買高は13億4398万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1107、値上がり銘柄数は1004で拮抗した。変わらずは82銘柄だった。