前日の米国株市場ではNYダウが5日ぶりに反落したが、為替が1ドル=110円台後半と円安に振れたこともあり主力株中心に資金が流入した。米中の次官級貿易協議の動向やジャクソンホール会議などを控え一方向にポジションを傾けにくい環境にあったが、2万2400円近辺では根強い買いに支えられた。
中国・上海株式相場が反発し、投資家心理を改善させた。上海株高にあわせて、短期志向の海外ヘッジファンドが日経平均先物に買いを入れた。
値がさ株が主導する形で日経平均は上げ幅を100円あまりに広げる場面があった。
午後は膠着感を強めた。米中両政府の事務レベルによる貿易協議や、米カンザスシティー連銀主催の経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)といった重要イベントを控えて積極的な売買を見送る投資家が多く、相場は方向感に欠いた。
JPX日経インデックス400は小幅ながら反落した。終値は前日比14.12ポイント安の1万5029.85だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、0.15ポイント安の1698.22で終えた。
東証1部の売買代金は概算で1兆8214億円と、5日続けて2兆円を下回った。5日連続の2兆円割れは2017年12月25〜29日以来。売買高は10億8192万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1317、値下がりは678、変わらずは109銘柄だった。
業種別株価指数(全33業種)は情報・通信業、小売業、石油・石炭製品などが上昇し、輸送用機器、ゴム製品、銀行業は下落した。
個別では、ファーストリテイリングが買われ、NTT、KDDIなども高い。資生堂や花王といった化粧品関連株も買われた。東海カーボン、ダイキンも上昇した。オルトプラスがストップ高、オープンドア、ネオスも値を飛ばした。TOKYO BASE、リンクアンドモチベーションなどが物色人気となったほか、メガチップスも上値を追った。
半面、ソフトバンクグループが売りに押され、スズキやデンソーなど自動車関連株は安い。スルガ銀行の下値模索も続いている。コマツと日立建機も売りが優勢だった。大同メタル工業が急落、アルヒも大幅安となった。タダノ、TATERUが売られたほか、三井金属、大陽日酸も安い。マネックスグループも売り優勢だった。
東証2部株価指数は前日比10.51ポイント安の7051.85ポイントと反落した。
出来高5515万株。値上がり銘柄数は259、値下がり銘柄数は149となった。
個別では、中央ビルト工業、アスモ、旭松食品、森下仁丹、上村工業など20銘柄が年初来安値を更新した。ビート・ホールディングス・リミテッド、朝日インテック、デュアルタップ、ハイレックスコーポレーション、マイスターエンジニアリングは売られた。
一方、さくらケーシーエス、KTC、チャーム・ケア・コーポレーション、コーア商事ホールディングス、鈴与シンワートが年初来高値を更新した。タツモ、アサヒ衛陶、ピクセラ、大興電子通信、杉村倉庫は買われた。