2万5000円の心理的な節目を上回り、1991年6月以来およそ29年ぶりの高値となった。新型コロナウイルスのワクチン実用化に向けた期待が広がるなか、世界的な金融緩和が生んだ余剰マネーの流入が一段と強まった。
引き続き主力株を中心にリスクオンの流れに乗る形で、日経平均は勢いよく上昇する形となった。米国株市場ではワクチン開発期待を背景とした経済正常化への思惑が投資家心理を強気に傾け、景気敏感株中心に買いを呼び込んでおり、この流れに追随する地合いとなった。ファストリといった値がさ株に加え、長期金利の上昇による事業環境の改善期待などから保険や銀行など金融株の上昇が目立った。
また、米国ではハイテク株比率の高いナスダック総合指数は連日で大きく下げたものの、きょうの東京株式市場では半導体などハイテクセクターも強い動きを示し、全体相場の上昇を後押しした。前日の日経平均は急騰後に上げ幅を大きく縮小させたが、きょうは朝方高く始まった後も漸次水準を切り上げる強調展開が際立った。
日経平均が7日続伸するのは、2019年10月以来となる。日経平均はきょうまでの7営業日で2300円超(約10%)上昇した。「短期的な過熱感は否めないものの、買いが買いを呼ぶ展開になっている」という声が出ていた。一段高を見込んだ短期筋の株価指数先物買いが主導し、日経平均の上げ幅は500円近くまで広がる場面があった。
JPX日経インデックス400は7日続伸し、終値は前日比262.27ポイント高の1万5638.36と、年初来高値を更新した。東証株価指数(TOPIX)も7日続伸し、28.27ポイント高の1729.07で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆4841億円。売買高は16億8320万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1614と、全体の約74%を占めた。値下がりは493、変わらずは69銘柄だった。