朝方は、売りが先行した。米長期金利の上昇を背景に15日の米国株式が小幅ながら値を下げたことが重しとなり、寄り付き後まもなく2万9681円25銭(前日比95円55銭安)まで下落した。
その後、前日終値近辺でもみ合う場面もあったが、米中首脳会談をにらみつつ、中国・上海総合指数や香港ハンセン指数の上げもあって株価指数先物に買いが入り、一時2万9960円93銭(同184円13銭高)まで上伸した。
バイデン米大統領と中国の習近平)国家主席が16日開いたオンライン形式の首脳協議は、対話を維持する重要性が示されるなど、波乱なく通過したとの受け止めが多かった。
香港ハンセン指数などアジア株が強含む場面では日本株にも株価指数先物主導で買いが強まった。米長期金利の上昇で保険や自動車など景気敏感株の上昇が目立った。金利の上昇局面で売られやすいとされるハイテク株のなかでも東エレクなど収益期待の高い銘柄は持ち直すなど底堅さを発揮した。
3万円の節目に接近すると利益確定目的の売りが出て、上値を抑えた。ただ、下値は限定され、引けにかけて小高い水準に戻した。
市場からは「海外投資家の注文は全体的には少ない。あまり下がらない点を指摘する声が多いが、逆に上値の重さを気にする向きも多い。海外株と比べると日本株だけスルーされている感じだ」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は小幅に4日続伸した。終値は前日比12.28ポイント高の1万8472.36だった。東証株価指数(TOPIX)も4日続伸し、2.31ポイント高の2050.83で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆7093億円。売買高は11億9059万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は890と、全体の約4割だった。値下がりは1189、変わらずは104銘柄だった。