前日の米ハイテク株安を受け市場のセンチメントが急速に悪化、日経平均株価は大きく下値を探る展開を強いられた。米長期金利が再び上昇基調を強め、グロース(成長)株への投資を回避する動きが強まっている。
前日の米国株市場では決算発表を受けハイテク大手が大きく売り込まれるなど、投資家のリスク回避ムードが強く、ナスダック総合株価指数の下落率の大きさが目立った。
東京株式市場でもこれを受けて、主力株をはじめ幅広い銘柄に売りが波及した。日経平均は軟調な米株価指数先物を横目に先物主導で下げ幅を広げ、一時は700円あまりの下げで3万500円台まで水準を切り下げる場面もあった。
また、大引けは若干下げ渋ったもののこの日の安値圏で着地している。プライム上場企業の8割近い銘柄が下落したが、全体売買代金は3兆2000億円台にとどまった。
25日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比105ドル安の3万3035ドルで終えた。米長期金利の上昇や決算発表した大手ハイテク株の下げが響き、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が2%強安、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4%強下げて終えた。
東エレクやアドテスト、村田製などに売りが目立った。米株価指数先物が日本時間26日の取引で軟調に推移すると、株価指数先物に海外短期筋とみられる売りが出て、日経平均は下げ幅を広げた。
26日の国内債券市場で長期金利は上昇し、指標となる新発10年物国債の利回りは0.885%と、2013年7月以来、約10年3カ月ぶりの高水準をつけた。有利子負債の重さが意識される不動産株に売りが出た。
日銀による長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)の再修正への思惑が支えとなった銀行や保険株の一部には下値で買いが入った。電力や食料品など業績が景気動向に左右されにくいディフェンシブ銘柄の一部が物色された。
米国では7-9月期実質国内総生産(GDP)が発表される。市場予想より強めの結果となれば、長期金利が一段と上昇する可能性もある。米国の金利動向や中東情勢など外部環境には不安感が残る。一方で、国内では決算が本格化してくるが、経済活動の正常化を受けた需要回復や為替の円安メリットなどで良好な内容になると見ている投資家も少なくない。決算動向を確認しながら、戻りを試す場面も想定され、押し目待ちのスタンスで望みたいところだ。