きょうの東京株式市場は上下に不安定な値動きで前日終値を挟んで往ったり来たりの値動きを繰り返した。前日の米ハイテク株安を受け半導体関連株が売られる一方、銀行など金融株が買われたが、様子見ムードが強く全般力強さに欠ける地合いとなった。日本時間今晩に発表が予定される8月の米消費者物価指数(CPI)の結果を前に、売りも買いも一方向にポジションを傾ける動きが出にくかった面もある。外国為替市場で円安方向に振れたことで、自動車などの輸出セクターの株価を下支えしたが、日経平均寄与度の高いハイテク値がさ株は軟調な銘柄が多かった。
東京株式市場ではアドテストや東エレク、信越化などに売りが出た。日本時間今夜に8月の米CPIの発表を控えており、「市場予想から上振れするとの懸念もあり、グロース(成長)株を中心に持ち高調整の売りが出たようだ」との見方があった。
日経平均の下値は堅く、上昇する場面もあった。13日の東京外国為替市場で円の対ドル相場は一時1ドル=147円台半ばまで下落し、輸出採算改善を期待した買いがトヨタなど自動車株に入った。個人投資家を中心に9月末の中間配当の権利取りを狙った買いがバリュー(割安)株に入ったことも支援材料との声も聞かれた。
注目される米CPIについて、コアCPIは前年比4.3%上昇と7月の4.7%の上昇から鈍化が見込まれている。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、政策金利の据え置きがコンセンサスとなっているが、その後の追加利上げの有無の思惑に繋がるだけに、インフレが沈静化するのか、それとも加速するのかに注目が集まるだろう。また、CPIを波乱なく通過しても日米の金融政策決定会合という重要イベント前に積極的に動きづらいと考える投資家は多く、目先的には、9月末の配当権利取りなどにとどまりそうだ。