きょうはリスク回避ムードのなか全体指数は大きく下値を探る展開となった。前日の米国株市場で主要株3指数がいずれも下落したほか、為替の円高進行も市場のセンチメントを悪化させている。
また、新型コロナ感染拡大が続くなか、大阪府が緊急事態宣言を政府に要請する見込みとなったことで、経済活動が規制されることによる景気の落ち込みを警戒する売りが出た。日経平均寄与度の高い値がさ株が売られ、TOPIXの下げよりも相対的に大きくなり、下げ幅は一時600円を超える場面もあった。先物を絡めた仕掛け的な売り注文も観測され、日経平均は2万9000円割れ目前まで水準を切り下げた。その後はわずかに下げ渋ったものの戻り足は鈍く、ほぼ安値圏で着地している。
大阪府がきょうにも緊急事態宣言の発令を政府に要請する見込み。吉村洋文知事は遊興施設や商業施設に休業要請する方針と伝わる。東京都でも宣言を要請する方向で検討していると伝わっており、経済活動が制限されるとの見方が強まった。
市場では「緊急事態宣言が出ると、慎重な業績見通しを発表する企業が増える可能性がある。期待値に届かず売りが優勢になりかねないとの警戒も出ている」との指摘があった。
JPX日経インデックス400は続落。終値は前日比280.95ポイント安の1万7340.48だった。東証株価指数(TOPIX)は続落し、30.31ポイント安の1926.25で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆3866億円。売買高は10億8739万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1899と、全体の約87%を占めた。値上がりは240、変わらずは52銘柄だった。