東京株式市場でも幅広い銘柄に売りが先行し、朝方には400円超まで下げ幅を広げた。
ただ、春節(旧正月)休暇明けに急落して始まった中国・上海総合指数がやや下げ渋るなど、アジア各国・地域の株安が加速しなかったことを受け、日経平均も次第に下げ幅を縮小した。
朝安後は目先の相場底入れを見越した押し目買いや、海外ヘッジファンドなど短期筋による株価指数先物への買い戻しが入ったとの見方が多い。
中国人民銀行(中央銀行)が3日に公開市場操作(オペ)を通じて金融市場に1兆2000億元(約18兆7000億円)を供給したことも、投資家心理の一段の悪化に歯止めをかけたとみられる。
しかし、日経平均はプラス圏に浮上することはなく、戻りの鈍さが目立つ。米政府が中国本土への渡航中止を勧告するなど、人や物の流れが一段と停滞する可能性が高まっている。米中貿易摩擦がいったん和らぎ、景気の先行きに楽観的な見方も出ていた中で、株式市場は再び試練にさらされた形だ。
新型肺炎拡大による世界経済への悪影響を警戒する雰囲気は引き続き強く、市場では「中長期志向の機関投資家が積極的に買いを入れる動きは鈍かった。国内企業業績の下振れも懸念され、相場急落リスクはくすぶっている」といった慎重な声が多かった。
JPX日経インデックス400は反落し、終値は前週末比100.43ポイント安の1万4991.36だった。東証株価指数(TOPIX)も反落した。11.78ポイント安の1672.66で終え、昨年11月1日以来3カ月ぶりの安値を付けた。
東証1部の売買代金は概算で2兆5654億円。売買高は13億5797万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1658と、全体の76.7%を占めた。値上がりは437、変わらずは64銘柄だった。