朝方から大きく買い優勢に傾き、日経平均株価は700円を超える上昇をみせ、一気に2万9600円台まで水準を切り上げた。
注目された前日の衆院選で自民党は公示前の276議席から議席数を261議席と減らしたが単独で絶対安定多数を確保したことから、これを好感する形で投資資金の流入が勢いを増した。企業の決算発表が本格化するなか好決算企業が目立っていることも物色意欲を後押ししている。
前週末の米国株市場ではNYダウをはじめ主要3指数が揃って史上最高値を更新しており、これも東京株式市場の出遅れ感を印象づけ、買い戻しを加速させる背景となった。
事前に単独過半数(233議席)を巡る攻防とも伝わっていたため、絶対安定多数(261議席)を単独で確保できたことに市場関係者は安堵した。政治の安定で積極的な財政出動への期待も高まり、景気敏感株をはじめ幅広い銘柄に資金が向かった。
岸田文雄首相は衆院選結果を受けた記者会見を14時から開き、新型コロナウイルス対策を進めるとともに大型の経済対策を中旬に策定する方針などを表明した。会見を受けて日経平均はきょうの高値を付けた。
発表が本格化している国内企業の4〜9月期決算で、大幅増益や通期見通しの上方修正が相次いでいることも追い風となった。政治の不透明感が薄らいだことで好決算を材料視した物色も活発化し、オークマやJTが大幅高となった。
市場からは「衆院選の好結果という国内ネタをとりあえず織り込み、これからは政策にらみになる。ただ、FOMC(米連邦公開市場委員会、2−3日開催)を控え、マーケットは海外に目が向いている」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は4営業日ぶりに反発。東証株価指数(TOPIX)は続伸し、前週末比43.54ポイント高の2044.72で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆2825億円。売買高は12億8590万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1901と、全体の9割近くを占めた。値下がりは243銘柄、変わらずは40銘柄だった。