日経平均株価は、10月30日以来およそ1カ月ぶりの安値を付けた。
中国の主力スマートフォンメーカー華為技術(ファーウェイ)のCFOが逮捕されたとの報道をきっかけに、米中の貿易摩擦問題への警戒が再燃した。
逮捕はイランへの制裁違反を捜査していた米国の要請に基づくもので、在カナダ中国大使館は抗議を表明。米中両国の新たな火種になるとの警戒感が広がり、リスク回避の流れが強まった。
中国景気の先行き不透明感もあって、電子部品や中国関連など幅広い銘柄に売りが出た。
日経平均は下げ幅が一時600円を超え、2万1300円に接近した。
安値圏では高水準に売り買いが交錯し、取引終了にかけて買い戻す動きが出て、下げ幅を縮小した。
香港株式相場が大幅安となるなどアジア各国・地域の株価指数が軒並み下落したほか、シカゴ市場の時間外取引で米株価指数先物が下げたことも投資家心理を冷やした。
長短金利の逆転を受けて米景気先行きへの警戒が広がるなか、市場では「世界景気の不透明感から、海外の機関投資家の一部が日本を含めた株式の買い持ち高を減らし始めている」との声も聞かれた。
JPX日経インデックス400は3日続落した。終値は前日比271.88ポイント安の1万4233.21だった。
東証1部の売買代金は概算で2兆7165億円。売買高は15億1021万株だった。
東証1部の値下がり銘柄数は1828、値上がりは253、変わらずは38だった。
業種別株価指数(33業種)は、33業種全てが下落した。下落率上位は、電気機器、医薬品、精密機器と続いた。