前日のニューヨーク市場で、米金融引き締めに対する警戒感からNYダウやナスダック指数が下落したことを受け、東京株式市場も朝方から売りに押される展開となった。
日経平均株価は前場には一時ほぼ600円の下落となり昨年12月20日以来の2万8000円割れへ売り込まれた。
前日の米市場では米連邦準備理事会(FRB)のブレイナード理事の発言をきっかけに米金利の先高観が再び強まり、高PER(株価収益率)のハイテク銘柄を中心に売りが広がった。
ただ、日銀のETF買いへの思惑も浮上するなか、後場に入り下値に買いが流入しやや下げ幅が縮小した。
外国為替市場では株安に歩調を合わせる形で円高・ドル安が進み、1ドル=113円台後半まで上昇した。輸出採算の悪化を意識した売りが増え、午前の取引終了にかけて下げ幅を拡大した。
ロイター通信が14日に「日銀は2%のインフレ目標を達成する前であっても、利上げを開始できるか議論している」と報じた。一部で日銀の政策転換が意識されたことも相場の重荷になった。
午後に入ると日経平均は下げ渋った。節目の2万8000円を割り込んだことで、当面の安値とみた投資家の買いが入った。東証株価指数(TOPIX)が午前に2%超下げたことで日銀の上場投資信託(ETF)買いを意識した売買も膨らんだ。
JPX日経インデックス400は続落。東証株価指数(TOPIX)も続落し、27.92ポイント安の1977.66で終えた。
市場からは「後場は、日銀のETF買いが入ったとみられるが、基本的に米金融政策にらみの動きに変わりはない。決算に向けては個別株の売買が中心になり、方向感が出にくくなるだろう」との声が聞かれた。
東証1部の売買代金は概算で3兆4410億円。売買高は14億815万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1599と、全体の約7割を占めた。値上がりは503、変わらずは83銘柄だった。