前日の米株式相場の上昇を支えにファストリなど主力株に買いが集まった。外国為替市場での円安・ドル高進行も輸出株にとって追い風となった。半面、3月期決算の発表シーズンを前に持ち高整理の売りも出やすく、午後は伸び悩んだ。
前日の米国株市場でNYダウやナスダック総合株価指数など主要株価指数がいずれも大幅上昇したことを受け、リスクオンの流れが波及した。
朝方は外国為替市場で1ドル=129円台前半まで円安が進み、トヨタなど自動車株には輸出採算の改善を期待した買いが強まった。ホンダやデンソーの上昇も目立った。日経平均の上げ幅は一時400円を超える場面もあった。
ただ、その後は円が買い戻されたことで半導体関連などが安くなり、今週から本格化する3月決算企業の決算発表を前に、戻り売りが上値を押さえる格好となった。
円安・ドル高は輸入物価の高騰につながる側面もある。供給網混乱の影響が長期化するとの懸念も根強いなかで、これからの決算シーズンで企業が示す業績見通しは慎重な内容になるという見方も多い。様子見ムードから日経平均は上げ幅を縮める場面もあった。
後場は改めて買い直され、日経平均は結局寄り付きとほぼ同水準で着地、4月6日以来約2週間ぶりの高値で引けている。
市場からは「先物主導で動いている印象だ。日銀が動いてもドル・円にあまりインパクトはなく、円安が続くとみられる。ただ、決算発表を控えており、見極めたいとの空気も根強い」との声が聞かれた。