きょうの東京株式市場は、前週末の地合いを引き継ぎ主力輸出株中心にリスクオンに傾いた。前週末の欧州株市場がほぼ全面高に買われたほか、米国株市場ではNYダウが800ドルを超える上昇を示すなど投資資金の流入が加速、これを受けて市場のセンチメントが改善した。27日のアジア株式市場で上海や香港などの指数が上昇したことも、日本株の買い安心感につながった。日経平均の上げ幅は400円を超える場面があった。
米国では発表された景気指標が、個人の期待インフレ率の低下を示唆、これを受けてFRBによる過度な引き締め懸念が後退したことから、東京株式市場でも幅広く買い戻しを誘発した。東エレクやファナックなどの半導体関連株をはじめ、値がさのハイテク株を中心に買いが入り、指数を押し上げた。
取引時間中はアジア株が総じて堅調だったほか、米株価指数先物も朝安後に切り返すなど、頑強な値動きを示したことが追い風となった。日経平均は6月13日以来2週間ぶりの高値圏に浮上している。
米連邦準備理事会(FRB)の利上げ加速に対する過度な警戒感が後退し、短期筋による買い戻しが入ったとの見方が多い。
市場では「6月の四半期末に向けて機関投資家のリバランス(資産配分の調整)に伴う買いが入るとの期待感から、個人投資家が先回り買いを入れたとみられる」との指摘もあった。
日本時間27日の取引で米株価指数先物が堅調に推移したことも投資家心理の支えとなり、日経平均は後場に上げ幅を拡大した。半面、心理的節目の2万7000円が近づくと戻り待ちの売りも出やすく、大引けにかけては伸び悩んだ。
東証株価指数(TOPIX)は続伸し、終値は前週末比20.70ポイント(1.11%)高の1887.42だった。