米国のワクチン開発期待を背景としたリスクオン相場に追随する格好となった。前週末のNYダウをはじめ主要株指数が揃って大幅高に買われ、S&P500指数は過去最高値を更新するなどリスクを取る動きが加速、東京株式市場でも海運や不動産、鉄鋼など幅広く景気敏感株を中心に買いが流入した。
朝方、寄り前に発表された国内の7〜9月期実質GDPが前期比で大幅な伸びを示し、市場コンセンサスを上回ったことも市場のセンチメントを強気に傾けた。また、取引時間中は中国、香港、韓国などのアジア市場も高く、米株価指数先物が続伸歩調にあることも追い風となった。
取引開始前に発表された7〜9月期の実質国内総生産(GDP)速報値が前期比年率で21.4%増と、4期ぶりのプラス成長となった。「日本経済は4〜9月期を底に回復基調にある」との確信を強めた投資家による買いが入った。
日本など15カ国が15日、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に署名したことを背景に、関税撤廃率が高まって輸出が増加することへの期待感も相場を後押しした。
日本時間16日日中のNYダウ工業株30種平均の先物相場が堅調に推移し、上海総合指数などアジアの株式指数も上昇。積極的に運用リスクを取る「リスクオン」の姿勢は午後に一段と強まり、終値としては1991年6月以来、約29年ぶりの高値を再び更新した。一日の上げ幅は今年6月16日(1051円)以来の大きさ。
バリュー(割安)株への物色が強まった。業種別では海運と空運がとりわけ大きく上昇し、鉄鋼や銀行なども上げた。
足元で新型コロナウイルスの感染の再拡大が世界的に進んでいるが、市場では「経済活動との両立を目指す動きもあることから、春先と比べ投資家は冷静に対応している」と楽観的な反応が目立った。
JPX日経インデックス400は反発。終値は前週末比260.82ポイント高の1万5665.68だった。東証株価指数(TOPIX)も反発し、28.59ポイント高の1731.81で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆6689億円。売買高は14億749万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1703と、全体の約8割を占めた。値下がりは425、変わらずは48銘柄だった。