
朝方に日経平均が安く始まった後も、漸次下げ幅を広げ、後場前半に700円近い下落をみせる場面もあった。前日の欧州株市場は総じて下落したが、米国株市場では根強い買いが入りS&P500指数が小幅ながら最高値を更新するなど頑強な値動きを示した。
この日はFOMC議事要旨の開示を受け米長期金利が上昇一服となったことから、投資家のセンチメントが改善し全体相場の下値を支えた。しかし、米国の金利低下を背景に外国為替市場ではドル売りの動きを誘発、足もとで急速に円高方向に振れたことが、きょうの東京株式市場ではネガティブに作用した。
また、日銀による追加利上げ観測などを背景に外国為替市場で円相場が対ドルで強含んだことを受け、輸出関連株を中心に売られた。プライム市場では8割以上の銘柄が下落するなど、幅広い銘柄に売りが波及した。
東京外国為替市場で円相場は朝方から次第に上げ幅を拡大し、1ドル=150円台前半まで上昇した。円相場の上昇に歩調をあわせる格好で、海外投機筋などが株価指数先物への売りの勢いを強めた。為替の円高進行を受けてトヨタなど自動車株の下げが目立ったほか、国内金利の先高観を背景に三井不など不動産株には住宅ローン金利上昇による購入意欲の減退を警戒した売りが出た。
日経平均は後場寄り後まで下値模索の展開が続いたが、その後は株価指数先物に断続的な買いが入り、次第に下げ渋った。直近の安値圏まで調整が進んだため、値ごろ感を意識した買いや自律反発狙いの買いも入りやすかった。
植田和男日銀総裁は20日昼に石破茂首相と会談し、植田氏は会談後、記者団に対して「経済金融動向について一般的な意見交換をした」と述べた。首相が植田氏に対して追加利上げに関する何らかのリクエストを出したとの思惑が、投機筋の買い戻しなどを誘ったとの見方もあった。
さて、東京株式市場は国内長期金利の上昇が響き日経平均が大きく下落する1日となった。15年ぶり水準に上昇している長期金利が次回の日銀の利上げを織り込む形で今月はほぼ一貫して上昇中。最近まで日経平均は耐性を示していたが、本日は円高も相まって一気にそれを織り込む動きに転化した。先物主導で仕掛け的な面が強いが、25日、75日移動平均線を割ってしまったことで目先は調整方向となった。