前日の米国株市場でNYダウなど主要株価指数が大幅下落したことを受けリスク回避ムードが強まった。米国では6月の消費者信頼感指数の発表を受けた景況感悪化がハイテク株や消費関連株への売りを誘発、特にナスダック総合株価指数の下落率が目立った。
東京株式市場でもこれが嫌気され、日経平均が前日までの4日続伸した反動もあって目先利益確定売りの動きが優勢となった。
中国や香港、台湾、韓国といったアジア株市場が軒並み安かったことも投資家心理を冷やした。また、きょうは6月末の配当権利落ち日に当たり、その分下げが助長された面もある。ただ、後場は押し目買いも観測され引けにかけて下げ渋った。
米調査会社カンファレンス・ボードが28日に発表した6月の米消費者信頼感指数は前月から低下し、市場予想も下回った。インフレが進んで景気が減速するとの懸念から、前日の米株式市場では主要株価指数が大幅に下げた。東京株式市場でも輸送用機器や機械といった景気の影響を受けやすいとされる業種に売りが出た。
日経平均は28日まで戻りを試し2万7000円台も回復していたため、利益確定を目的とした売りや戻り待ちの売りが出やすかった。29日は6月末の配当の権利落ち日にあたり、配当落ちで日経平均は32円ほど下押しされた。
市場からは「直近4連騰後の調整にしてはさほど下げていない印象だ。3月期決算企業の配当再投資への期待が支えになっている面はあろうが、米景気の減速懸念は尾を引いており、やはり上には行きづらい」との声が聞かれた。
東証株価指数(TOPIX)は4営業日ぶりに反落し、終値は前日比13.81ポイント(0.72%)安の1893.57で終えた。