午前は欧米株安を嫌気した売りと円安を好感した買いが交錯し、日経平均株価は落ち着きどころを探る動きが続いた。午後は3連休を控えて、一段と買いが手控えられた。
外国為替市場で円相場が一時1ドル=112円台に下落するなど、急速な円安・ドル高の進行は株式相場全体を下支えした。輸出企業の業績悪化懸念を和らげたほか、短期マネーによる株価指数先物への買い戻しも誘い、日経平均は朝方に上げ幅を100円超まで拡大した。
ただ、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、国内景気や企業業績の悪化を意識した売りがやや優勢だった。アジアの主要株価指数が総じて軟調に推移したことも重荷となった。
「連休中に国内の感染者が急増した場合に備えたい」として、持ち高を減らす動きが目立ったという。取引終了間際に日経平均は下げ幅を100円超まで拡大する場面があった。
市場の一部では「足元の円相場の急落は国内景気の減速を意識した円売りという可能性は否めない」との指摘も聞かれ、買いの勢いは続かなかった。
JPX日経インデックス400は3日ぶりに反落した。終値は前日比13.10ポイント安の1万5024.00だった。東証株価指数(TOPIX)も3営業日ぶりに反落し、0.48ポイント安の1674.00で終えた。
日経平均をTOPIXで割って算出するNT倍率は前日に14倍台と約28年ぶりの高水準に達していた。相対的にTOPIXの割安感が強まっていたため「日経平均先物買い・TOPIX先物売り」のポジションの解消に伴う反対売買が出たとの見方もあり、TOPIXの下落率は限られた。
東証1部の売買代金は概算で2兆968億円、売買高は11億5539万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1094、値上がりは946、変わらずは120銘柄だった。