きょうの東京株式市場は前週末に欧米株市場が軒並み大きく上昇したことを受け、リスクオフの巻き戻しが続くとみられたが、朝方は売り優勢となり、その後も前週末終値を挟みプラス圏とマイナス圏を往来する不安定な地合いとなった。
欧米ではウクライナとロシアの停戦合意に対する期待がマーケットのセンチメントを強気に傾けたが、ウクライナ問題は依然として不透明感が残るほか、ロシアを国際的な金融決済システムから排除する方向となったことで、きょうの東京株式市場ではその反動による企業業績への影響も警戒された。後場寄りに一段安となったが、その後は再び買い直される展開となった。
ウクライナ侵攻を受けて、米欧諸国は26日に国際銀行間通信協会(SWIFT)の決済網からロシアの一部銀行を締め出す方針を打ち出した。日本も27日に参加を表明した。
主要国が相次いでロシアに対する追加の経済制裁に動いて世界景気への影響が警戒され、日経平均の下げ幅は一時200円を超えた。
午後にはベラルーシがロシアを支援するために、早ければ28日にもウクライナに派兵する準備を進めていると伝わり、株売りを促す場面もあった。
しかし前週末終値を下回る水準では見直し買いも入った。日本時間28日午後に予定されるウクライナとロシアの停戦協議の結果を見極めたいと、持ち高を一方向に傾ける動きは限られた。
市場ではロシアのSWIFTからの排除について「現時点では一部の銀行に限られ実効性は高くない」との指摘もあった。
東証株価指数(TOPIX)は続伸し、前週末比10.69ポイント(0.57%)高の1886.93で終えた。JPX日経インデックス400も続伸した。
東証1部の売買代金は概算で3兆4497億円。株価指数を算出する米MSCIによる指数構成銘柄の見直しに伴う売買があった。売買高は14億4822万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1732と、全体の約8割を占めた。値下がりは400銘柄、変わらずは47銘柄だった。