前日の米国株高を受けて東京株式市場でも運用リスクをとる投資家が増え、海外短期筋が株価指数先物の買い戻しを進めた。世界保健機関(WHO)による緊急事態宣言をきっかけに新型コロナウイルスの感染拡大への不安心理が和らぎ、買い戻しが広がった。
世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスによる肺炎について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」と宣言したことで、各国の対策強化への思惑などが出て、株価を下支えした。ただ、「ウイルスの潜伏期間を考えると、封じ込め策の効果が分かるのは2月半ばごろ」とみられ、警戒姿勢を崩さない投資家もいたようで、前場に一時400円超上昇した日経平均も後場は上値の重い展開になった。
中国国家統計局などが発表した1月の中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)が前月比0.6ポイント上昇の54.1となり、相場の支援材料となった。
週末であることや決算発表のピークを控えていることもあって積極的に上値を追う動きには乏しく、午後は次第に模様眺めの雰囲気が強まった。
市場では「新型肺炎問題はいまだ収束の兆しが見えず、相場が本格的に戻りを試すには時間がかかる」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反発し、終値は前日比87.14ポイント高の1万5091.79だった。東証株価指数(TOPIX)も反発し、9.67ポイント高の1684.44で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆6149億円。売買高は13億7692万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1507と、全体の約7割を占めた。値下がりは573銘柄、変わらずは79銘柄だった。