米中の貿易摩擦を巡る警戒感の後退で4日の米株式相場が上昇し、海外投資家を中心に買い戻しが膨らんだ。外国為替市場で円相場が一時1ドル=107円近辺に下落したのも支援材料となり、上げ幅は400円を超える場面があった。
日本時間5日のシカゴ市場の時間外取引で米株価指数先物が上昇し、米株式相場の下値不安が後退するなか、銀行株など大型株にも買いが入った。
日経平均は取引時間中として約3週間ぶりに2万1700円を一時上回った。
先物主導によるインデックス売買、特に指数インパクトの大きいファーストリテの上昇インパクトが大きかったが、一先ず200日線や25日線といった抵抗線を超えてきており、センチメントは改善傾向に向かいそうだ。
JPX日経インデックス400は続伸した。終値は前日比183.23ポイント高の1万5268.80だった。東証株価指数(TOPIX)も続伸し、18.48ポイント高の1724.61で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆6536億円。売買高は15億4778万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1327と、全体の約64%を占めた。値下がりは677、変わらずは77銘柄だった。
個別では、三井不や住友不など不動産株が物色人気となった。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも買い優勢。ソニーが堅調、資生堂も上値を追った。ヴィンクスがストップ高に買われたほか、サイバーコム、ペッパーフードサービスも値を飛ばした。インターアクション、PCIホールディングスなども上昇した。
半面、マネックスグループは大きく利食われた。住友鉱や古河電など非鉄金属株が下落した。筆頭株主の株式売却を発表したマクロミルの下げが大きかった。
また、ダイフク、ブイ・テクノロジーも冴えない。ネクステージが大幅安、東邦チタニウムも売り込まれた。ジャパンディスプレイが値を下げ、ソースネクスト、日本冶金工業なども下値を探る展開となった。
東証2部株価指数は前日比5.89ポイント高の7139.74ポイントと3日ぶり反発した。
値上がり銘柄数は229、値下がり銘柄数は218となった。
個別では、魚喜、三光マーケティングフーズ、サンコーテクノ、ジャパンミート、サイオスなど11銘柄が年初来高値を更新。ビート・ホールディングス・リミテッド、技研ホールディングス、青山財産ネットワークス、三精テクノロジーズ、大同信号は値上がり率上位に買われた。
一方、Oak キャピタル、新内外綿、バイク王&カンパニー、スーパーバッグ、日本化学産業など19銘柄が年初来安値を更新。ファステップス、櫻島埠頭、ベリテ、アライドテレシスホールディングス、アジア航測は値下がり率上位に売られた。