朝方から半導体関連などを中心に買いが優勢。前週末の米国株市場ではナスダック総合株価指数が最高値を更新したほか、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も最高値に買われており、米半導体大手エヌビディアなど主力ハイテク株が買われた。東京株式市場でもこれに追随して半導体関連を中心に物色意欲が旺盛だった。前場は上値の重い展開で、個別株も前引け時点では値下がり銘柄数が値上がりをわずかに上回っていたが、後場に入ると切り返す銘柄が多くなり、大引けは全体の65%の銘柄が高くなった。日本時間今晩の米国株市場がメモリアルデーで休場ということもあって、海外投資家の動きが鈍く、全体売買代金は盛り上がりを欠いた。東証プライム市場の売買代金は3兆3000億円台で今年に入ってからは最低水準となっている。
27日はメモリアルデーの祝日で米市場が休場になるため、持ち高調整や利益確定目的の売りも出て、取引中盤には上げ幅を急速に縮小する場面があった。ただ大引けにかけては強含んだ。市場では「薄商いの中では海外短期筋の取引が需給に与える影響が大きくなりやすい。日足チャート上で(中期トレンドを示す)75日移動平均(3万8792円、24日時点)を上回ったことで海外短期筋の買いに弾みがつき、日経平均を押し上げたようだ」との声が聞かれた。
27日午後の国内債券市場で、長期金利が上昇(債券価格は下落)し、指標となる新発10年物国債の利回りは1.025%と、2012年4月以来およそ12年ぶりの高水準をつけた。日銀の内田真一副総裁が27日の講演で「デフレとゼロ金利制約との闘いの終焉(しゅうえん)は視野に入った」などと述べ、日銀による早期の金融政策の正常化が意識された。これを受け、金利上昇による収益改善期待から三菱UFJなどの銀行株や保険株などに買いが向かった。
27日の米国市場は休場となるが、休み明けの米国では、証券取引の決済期間を短縮し、決済日を約定日の翌日とする「T+1」が始まる。金融機関や機関投資家、為替の絡む海外投資家などに混乱が生じる恐れもあり、様子見スタンスを強める要因になっているようだ。また、6月に入ると米連邦公開市場委員会(FOMC)などが控え、投資家の関心は米国の景気動向に移っていくことになるだろう。