東京株式市場は反発したものの上下に不安定な動きをみせた。
朝方は外国為替市場で1ドル=106円台後半まで急速に円安が進行したことを受けリスクを取る動きが先行した。
海外投資家の買い戻しが入った。後場は国内機関投資家の利益確定売りで下げに転じる場面があったが、終盤に「韓国と北朝鮮による南北首脳会談の日程が4月27日に決まった」と伝わると、再び買いの勢いが増した。
日経平均を東証株価指数(TOPIX)で割った「NT倍率」が年初来の低い水準で推移していたため、「TOPIX先物を売って、日経平均先物を買うリバランスの動きがあったようだ」との声も聞かれた。
一方、米フェイスブックの情報流出問題や米アマゾン・ドット・コムに対する課税強化観測など米ハイテク株に対する警戒感は強く、半導体需要の減少が懸念された東エレクやSUMCOなどには売りが優勢だった。
3月30日から4月2日にかけては、欧米主要国で休場になる市場が多い。市場関係者は「海外投資家が休暇モードの状態では、相場も盛り上がらない」と、あきらめ気味だった。
JPX日経インデックス400は反発。終値は前日比30.72ポイント高の1万5058.42だった。TOPIXも反発し、4.44ポイント高の1704.00で終えた。
業種別株価指数(33業種)は、サービス業、食料品、水産・農林業の上昇が目立った。下落は、鉱業、医薬品、鉄鋼など。
東証1部の売買代金は、2兆5507億円。売買高は13億2442万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1328と、全体の64%を占めた。値下がりは669、変わらずは82銘柄だった。
個別では、アサヒやファストリ、関西電が上昇した。キーエンス、資生堂や小野薬、住友不も買われた。リクルートホールディングスが買い優勢。セブン&アイ・ホールディングスが上値追い、花王も物色人気となった。
メンバーズが急騰、クリーク・アンド・リバー社、ニチイ学館も高い。ヤーマンが商いを伴い大幅高、オプトホールディングも上昇した。
一方、武田が大幅に下落。パナソニックや楽天、HOYAが売られた。ソニー、ファナックなども軟調。豊和工業、石川製作所が大きく値を下げたほか、ブイ・テクノロジー、レノバなども下値を探る展開に。楽天が軟調、セイコーエプソンなども売りに押された。
東証2部株価指数は前日比22.06ポイント高の7165.19ポイントと反発した。
値上がり銘柄数は294、値下がり銘柄数は151となった。
個別では、日本リーテック、アイスタディ、グッドコムアセット、野崎印刷紙業、青山財産ネットワークスが昨年来高値を更新。アジア航測、ジェイ・エス・ビー、アイ・アールジャパンホールディングス、ゼロ、高砂鐵工が買われた。
一方、工藤建設、信和、スーパーバッグが昨年来安値を更新。ファステップス、大和自動車交通、アピックヤマダ、原田工業、石井表記が売られた。