米国のインフレ懸念の強まりを背景に米長期金利が上昇するなか、相対的な割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)の成長株の下げが目立った。
半面、バリュー(割安)株の一部には買いが入り、下値を支えた。
朝方からリスク回避ムードが強かった。前週末の欧州株市場ではECBの利上げ前倒し懸念などを背景に軒並み安に売られたが、米国株市場でも1月の米雇用統計発表を受け、FRBのタカ派姿勢が一層強まることへの警戒感が上値を重くした。
NYダウは小幅安で引けたが、米アマゾンの好決算を受けた株価急伸がハイテク株全般に波及し、ナスダック総合株価指数は高く引けた。
ただ、東京株式市場では米金利上昇を背景にハイテク輸出株には利益確定の売り圧力が拭えなかった。原油市況の上昇を受け資源株の一角が買われたほか、総合商社株がしっかりだった。また銀行や保険株にも買いが入ったが、全体軟調相場は支えきれなかった。
業種別では海運の下げ幅が大きかった。値がさの半導体関連銘柄も売られ、指数を下押しした。前週末に決算を発表した銘柄では太陽誘電やミネベア、スズキの下げが目立った。
朝方には日経平均が300円超下げる場面があった。午後に入ると、米株価指数先物が日本時間7日の取引で下げ幅を縮小。日本株でも下げが大きかった成長株を中心に売りに一服感が出た。金利の上昇による利ざや改善の思惑から銀行や保険など金融株は上昇した。
市場では「欧州主要国や米国での金利上昇(価格は下落)を受け、金利動向への警戒が高まり、様子見姿勢が強まったようだ」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は反落した。東証株価指数(TOPIX)も反落し、終値は前週末比4.57ポイント安の1925.99で終えた。
東証1部の売買代金は概算で3兆141億円。8営業日連続で3兆円を上回った。売買高は13億218万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1313と、全体の約6割を占めた。値上がりは783、変わらずは87銘柄だった。