
前日の米ハイテク株安の流れを受け、東京株式市場の半導体関連株が軒並み大幅に下落した。日経平均の下げ幅は一時2400円を超え、心理的な節目の5万円を下回った。半面、好業績を発表した銘柄が買われ、相場の下値を支えた。
前日の米株市場を横目に、5日の日経平均は続落して取引を開始。前場は売り優勢の展開が続いて下げ幅を大きく広げる展開となったが、後場からはやや下げ幅を縮小して5万円に復帰して取引を終了した。
ナスダック総合指数・フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の大幅安が、東京市場でハイテク株や半導体関連株の株価の重しとなった。また、日経平均は昨日4日ぶりに反落したが、25日移動平均線との乖離率は6.49%と依然として買われ過ぎとされる5%を上回っていたため高値警戒感から売りが出やすかった。
一方、主要企業の4-9月期決算発表が佳境となっており、好決算・好業績銘柄への物色意欲は続いた。
朝方からアドバンテストや東京エレクトロン、ソフトバンクグループ(SBG)などが売られ、日経平均を押し下げた。
午前に4万9000円台まで下げた日経平均は午後に下げ渋った。これまでの相場上昇に乗り遅れていた投資家が押し目買いを入れたとの指摘があった。決算発表が相次ぐなか、昼に今期業績見通しの上方修正を発表した三井物や大林組が後場に上昇に転じた。注目されていたトヨタが午後の決算発表後に下げ幅を広げる場面があったが、市場全体への影響は限定的だった。
市場関係者は「AIや半導体関連は期待が先行しすぎた面があり、当面は調整が入る可能性がある。今後はバリュー(割安)株などに注目が移っていくのではないか」とみていた。