きょうは強弱観が対立し、日経平均は方向感の見えにくい展開を強いられた。前日の欧州株市場がほぼ全面安商状に売られたほか、米国株市場でもNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに小幅ながら下落したことを受け、目先買い手控えムードが強まった。
外国為替市場で一時1ドル=148円台を下回るなどドル安・円高基調が強まったことも輸出セクター中心に逆風材料となった。デンソーやトヨタなどが売りに押された。
ただ、日経平均は下値抵抗力も発揮、海外投資家とみられる押し目買いが入り、日経平均は後場に入って再びプラス圏に浮上する場面もあった。値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を上回り、プライム市場全体の6割近い銘柄が上昇している。
最近の日経平均は取引時間中に7月3日の年初来高値(3万3753円33銭)を試しながらも、高値警戒感を意識した売りに押されて失速する日が目立っていた。きょうも朝高後まもなく下げに転じ、国内機関投資家などによる利益確定売りがやや強まったことで午前の日経平均は一時150円近く下げた。
ただ、ここまで大きく上昇してきた相場の方向性を変えるほどの売り材料もないなかで、売り急ぐ展開にもなりづらかった。ファストリやレーザーテクなど値がさの主力株は堅調に推移した。
今夜のFRB理事の発言に関し、市場では、足元で米長期金利が低下基調にあるだけに、確認したいところだ。また、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げは見送られるというのがマーケットコンセンサスだが、それ以降の金融政策について、これまで通りの「今後のデータ次第では追加利上げの可能性もあり得る」という発言内容になるのかが注目される。経済指標については、市場予想を下回る弱い結果となれば、ドル安・円高が進む可能性もあるだけに、為替の動きにも警戒したいところだろう。