きょうの日経平均は、朝方高く始まったもののその後は値を崩す展開となった。NYダウやナスダック総合指数が高かったことや朝方はドル・円相場が円安に傾いていたことでリスク選好ムード。寄り前に発表された日銀短観は厳しい内容だったが織り込みが進んでいたこともあり、全体相場は買い優勢でスタートした。
新型コロナウイルスの感染再拡大による経済活動の停滞懸念が売りを促した。午後に「1日当たりの東京都の感染者数が60人以上と緊急事態宣言解除後の最多を更新する見通しとなった」と伝わると、売りが膨らみ、下げ幅が240円を超える場面もあった。
香港では「香港国家安全維持法」が成立し、米中対立が悪化懸念がくすぶっている。投資家のリスク回避の動きから、日本時間1日のNYダウの先物が軟調だったことも日本株相場の重荷となった。
6月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の景況感を示す業況判断(DI)が11年ぶりの低い水準に落ち込んだ。国内の景況感悪化で、買いを手控える動きが目立った。
日経平均はチャート分析で重要視される25日移動平均線を3日連続で下回った。相場は分岐点を迎えている形で、市場関係者は「(同線が)上値抵抗線として意識され始めると厄介なことになる」と、市場心理の悪化を警戒していた。
JPX日経インデックス400は反落した。終値は前日比173.36ポイント安の1万3876.51だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、20.16ポイント安の1538.61で終えた。
東証1部の売買代金は概算で2兆351億円。売買高は11億8497万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は1849と、全体の85%を占めた。値上がりは274、変わらずは46銘柄だった。