前日の米国株市場が上昇一服となったことを受け、リスクを回避する動きが継続した。
トランプ米大統領が16日、中国による米農産物購入拡大に関連し追加制裁関税の発動などの可能性に言及したことで、米中貿易摩擦が長期化するとの見方が嫌気された。
前日の米株式市場で半導体株が大きく下げたこともあり、東エレクやアドテストなど半導体関連の売りが目立った。
取引時間中は為替が円安含みに推移したことは下支え材料となった。今月下旬から主要企業の決算発表が相次ぐのを前に、下げが目立っていた銘柄の一部には海外投資家の買い戻しも入った。2019年4〜6月期決算が増収増益になると期待されているキーエンスやダイキンなど好業績銘柄の一部は大引けにかけて上げ幅を広げ、相場全体を下支えした。
ただ、アジア株が総じて軟調だったことで市場心理を冷やした面もある。海外ヘッジファンドを中心とした先物売りが重荷となったほか、内需の小売や情報通信などディフェンシブセクターが弱く、全体相場の足かせとなった。
市場からは「米中問題が蒸し返されたが、新規材料ではなく売り込む理由にはならない。かといって買い上がる材料もない。日経平均は下ヒゲで75日線割れを回避したが、『マド』を空けて下げており、早期に戻せないと下に向かう可能性がある」との声が聞かれた。
JPX日経インデックス400は小幅ながら3日続落し、終値は前日比7.54ポイント安の1万3945.07だった。東証株価指数(TOPIX)も3日続落し、1.33ポイント安の1567.41で終えた。
閑散商いが続いており、売買代金は11営業日連続で2兆円を割り込んだ。
東証1部の売買代金は概算で1兆8421億円、売買高は10億2395万株だった。値下がり銘柄数は1399銘柄、値上がり672銘柄、変わらず79銘柄だった。