きょうは、強弱観対立のなかも底堅さを発揮、日経平均は朝方こそ安かったものの、前場後半は買い戻され、後場は終始プラス圏で頑強な値動きをみせた。
一方、上値を買い進む動きも限定的で、大引けは2万8000円大台を下回る水準で着地している。
前日の米国株市場では主要株価指数が揃って安くなったが、NYダウは取引終盤に急速に値を崩し200ドルあまりの下落となった。米国株市場の引け味の悪さを引き継いで、きょうの東京株式市場でも朝方は投資マインドが弱気に傾いていたが、下値では押し目買いも活発だった。朝方取引開始前に発表の7〜9月期の、国内総生産(GDP)速報値は4半期ぶりのマイナス成長となったが、株式市場ではこれを悪材料視する動きには発展しなかった。FRBの金融引き締めピッチが緩むことへの期待感が引き続き全体相場を支えている。
業種別では、非鉄金属や鉄鋼業など素材関連が買われた。前日に決算発表があった大手金融株も強かった。三井住友FGは今期の連結純利益予想を上方修正したほか自社株買いも発表し、株価は4%超高となり年初来高値を更新した。
市場では「外部環境が悪いだけに、もともと慎重スタンスの投資家が多かったとみられる。(米利上げペースの減速観測など)前向きな話が出るなかで株価は上げやすい」との声があった。
14日の米中首脳会談については「対話継続といった格好で、想定の域を出ない」(国内証券)との見方があった。
東証株価指数(TOPIX)も反発し、前日比7.32ポイント(0.37%)高の1964.22で終えた。東証プライムの売買代金は概算で3兆1707億円。売買高は12億1130万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1091銘柄と全体の約6割だった。値下がりは678、変わらずは67銘柄だった。