前日の米国株安を引き継ぎ、朝方から幅広く売りが先行。その後も上海などアジア市場の下落を横目にじりじりと下げ幅を広げ、後場入り直後には一時2万0613円と、取引時間中として2019年9月4日以来、半年ぶり安値をつけた。
円高進行、中国や韓国からの入国制限を受けた経済停滞の懸念から、投資家の運用リスクを避ける動きが強まり景気敏感株を中心に全面安となった。週末を控え、新型コロナウイルスの感染拡大を巡る新たな悪材料が出るとの警戒感も下げを増幅させた。
6日の東京外国為替市場で円相場が1ドル=105円台後半まで上昇したことも重荷となった。鉄鋼株や自動車株などを中心に幅広い業種が大幅に下げた。日本時間同日の時間外取引で米長期金利が一段と低下すると、運用環境の悪化につながるとの見方から金融関連株も大きく売られた。
安倍晋三首相が5日夜に中国や韓国からの入国を3月末まで大幅に制限する方針を表明するなど、経済活動停滞への懸念が強まった。海外投資家による断続的な先物売りで、日経平均の下げ幅は一時700円を超える場面があった。
終値も株価純資産倍率(PBR)1倍水準(2万0800円)を下回った。1倍割れは米国と中国の対立が激化した18年12月下旬以来。市場関係者は「日本株の割安感は強まっている」と分析する一方、「日本や米国で感染者数は依然加速する可能性があり、株価がすぐに戻るとは限らない」と警戒感を示した。
JPX日経インデックス400は反落。終値は前日比378.87ポイント安の1万3256.16だった。東証株価指数(TOPIX)も反落し、44.25ポイント安の1471.46と昨年来安値(1471.16)に迫った。
東証1部の売買代金は概算で2兆8335億円。売買高は17億4964万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は2114と全体の97.7%を占め、全面安の展開となった。値上がりは40、変わらずは9だった。