きょうは終始買いが優勢の地合いとなった。前日は祝日で休場だったため、きょうは3連休明けとなったが、この間に米国株市場でNYダウ、ナスダック総合株価指数など主要株価指数が揃って続伸、投資家の不安心理が和らぎ、空売りの買い戻しなどを絡め主力株中心に上値を追う銘柄が多かった。特に米国では半導体関連株に買いが目立ち、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が6連騰と上げ足を強めており、東京株式市場もこれに追随する動きとなった。足もとで為替市場は乱高下したが円の先安期待は根強く、輸出セクターにはポジティブに作用している。
あすのFOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見を控え、買い一巡後はやや伸び悩んだ。
日銀が26日まで開いた金融政策決定会合で政策の現状維持を決めた。緩和的な金融政策のもとで円の先安観が根強いとの見方も株買いを後押しし、上げ幅は一時600円を超えた。
日銀が円安に対応して早期に利上げに動くとの警戒感が後退し、日本の株式市場が祝日で休場だった29日の外国為替市場で円相場は34年ぶりに1ドル=160円台をつけた。同日午後からは日本政府・日銀が為替介入に動いたとの観測もあり、一時154円台まで急伸するなど、円相場は乱高下した。ただ、30日の東京市場では再び157円台まで下落するなど、円の先安観は根強く、トヨタやホンダ、SUBARUなど主力の輸出関連株には採算改善を見込んだ買いが入った。
国内では企業の決算発表が本格化し、製造業を中心に市場予想を上回る今期の業績見通しや株主還元策を発表し、好感する買いが集まった。市場予想を上回る2025年3月期(今期)の業績見通しを示した三菱電と日立が上場来高値を更新した。約10年ぶりの大規模な自社株買いを発表したコマツも上場来高値を更新した。午後は商船三井が市場予想を上回る今期の業績見通しを発表したのを手がかりに急騰した。郵船や川崎汽など他の海運株も強含んだ。
利益確定売りなどで、指数の上値が重くなる場面があった。今週は5月の大型連休の谷間で市場参加者が少ないとみられるほか、5月1日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表、同3日には4月の米雇用統計の発表を控え、投資家の様子見姿勢も強かった。
個別株は半導体関連が息を吹き返している。ソシオが前週末26日引け後に発表した24年3月期決算は営業63%増益で計画を大幅に上振れて着地したが、その反動もあって25年3月期の同利益は24%減益見通しとなった。上振れ着地で次期業績を保守的に出すのは、“極めてありがち”なパターン。ソシオの場合、特にその可能性が高いとの見立てで、貸株市場を調達した空売りターゲットとなっていた。ところが、PTSで存分に脅しをかけられた急落シナリオが、きょうの相場では真逆の方向にバイアスがかかった。寄り付きこそ投げ売りに買い戻しをぶつけられたものの、売り板は瞬間蒸発となり、その後はショート筋の自爆的な踏み上げ相場に移行した。売買代金はプライム市場第1位。きょうはソシオの動きが、その他の半導体関連にも活力を与えたといってよいだろう。
日経平均は4月に月間では4.86%安と、今年初の下落で終えた。月間下落率は22年12月以来1年4カ月ぶりの大きさだった。