きょうは主力株を中心に総じて売りが優勢の地合いとなり日経平均は反落、朝方に台湾で発生した地震の影響への警戒感から、株価指数先物に運用リスクを回避する売りが出て、600円超の大幅安で3万9200円台まで水準を切り下げる場面があった。
米国では想定を上回る強い経済指標が相次いでおり、前日の米国株市場ではFRBによる早期利下げ期待が後退、米10年債利回りが上昇基調を強め、株式の相対的な割高感が意識されNYダウが400ドル近い下げとなった。円安環境で原油価格や金価格も急ピッチの上昇をみせており、東京株式市場でもインフレ警戒感がくすぶる状況下で買いが手控えられた。
また、朝方に台湾付近を震源とする地震が発生し、これを嫌気した先物への売りが全体指数の下げを助長した。ただ、後場に入ると中小型株を中心に押し目買いが入り日経平均は下げ渋っている。値上がり銘柄数が値下がりを小幅ながら上回った。
2日のNYダウ工業株30種平均が下落した。米景気の底堅さから米連邦準備理事会(FRB)が利下げを始める時期を先送りするとの観測が強まった。米長期金利が一時4.40%まで上昇し、成長期待の高い半導体株が売られた。東京株式市場でも半導体関連の一角に売りが先行した。
日本時間3日9時ごろに台湾付近を震源とする地震が発生した。台湾は世界の半導体産業の集積地となっている。半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が工場の生産ラインから一部のスタッフを退避させたと伝わった。供給網への影響を懸念する短期筋から日本の株価指数先物に売りが出て、日経平均は下げ幅を広げた。
売り一巡後は下げ渋った。朝方に売られた東エレクなど半導体関連の一角に押し目買いが入った。原油高を手掛かりにINPEXなど石油関連株が買われ、銀行や海運といったバリュー(割安)株にも物色が向かった。伊藤忠は3日午後に発表した今期の株主還元方針が好感されて株価が急伸。その他の商社株にも買いが広がった。
米国では3日、3月のADP全米雇用報告の発表やパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演などが予定されている。労働市場の力強さが示され、パウエル氏の講演で利下げの後ずれを示す発言が出るのか確認したいと考える向きが多く、積極的に買い上がる雰囲気にはなっていない。また、投資家の関心は企業業績に移り始めており、2025年3月期の業績向上が続くかも見極めたいようで、目先は様子見ムードの強い展開が続きそうだ。