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【大引け概況】


21日の日経平均株価は4営業日ぶりに反発し、大引けは前週末比114円88銭(0.37%)高の3万1565円64銭だった。
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前週末までの3日間で800円近く下落していたこともあり、下値を拾う動きが強まった。中国人民銀行は午前10時過ぎに最優遇貸出金利(ローンプライムレート)の1年物を引き下げたと発表し、材料出尽くし感からいったん日経平均株価はマイナス圏に転じる場面があったが、売り一巡後は一時300円を超す上昇に切り返した。ただ、後場に入ってからは売りが膨らみ上昇幅は縮小した。中国・上海総合指数や香港ハンセン指数は下落し軟調に推移した。
 
「東証マザーズ指数は大幅高となり、保険株は下げるなど米金利の上昇一服を意識した動きとなった」と指摘する一方、国際経済シンポジウムのジャクソンホール会議を今週後半に控えて「様子見ムードも強い」と話していた。
 
中国人民銀行(中央銀行)は21日、実質的な政策金利を引き下げた。発表直後には材料出尽くし感や、市場で引き下げの予想もあった住宅ローン金利の目安とされるLPR5年物の据え置きが嫌気され、日経平均は下げに転じる場面もあった。
 
市場からは「自律反発狙いの買いが一巡し、上げ幅を縮めてきた。短期筋が中心であり、買いの勢いが止まると売りに傾きやすい。とりあえず、経済シンポジウム『ジャクソンホール会議』(24−26日開催)を見極めるまでは、積極的な売買はしにくい」との声が聞かれた。
 
時間外取引での米長期金利は高値圏で推移するなど米金利の先高観は拭えていないほか、中国の景気後退懸念も根強く、東京市場は上値追いの動きは限られている。足元の不安材料が解消されていないだけに致し方のないところだろう。今週は、24日からのジャクソンホール会合、25日のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の経済見通しに関する講演ぐらいしか注目材料はないだけに、全般は模様眺めムードが強まりそうだ。
 
東証株価指数(TOPIX)も4営業日ぶりに反発し、4.20ポイント(0.19%)高の2241.49で終えた。JPXプライム150指数も4営業日ぶりに反発し、終値は0.56ポイント(0.06%)高の1003.35だった。
 
 
東証プライムの売買代金は概算で2兆5854億円と、4月25日(2兆3472億円)以来の低水準だった。売買高は11億68万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1177銘柄と全体の6割超を占めた。値下がりは587銘柄、変わらずは70銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は電気・ガス業、鉱業、不動産業、小売業などが上昇した。下落は保険業、ゴム製品など。
 
 個別銘柄では、レーザーテックや東京エレクトロン、ソシオネクストといった半導体関連株が高い。ソフトバンクグループやファーストリテイリングが値を上げた。トヨタ自動車や三菱重工業、東京電力ホールディングスが上昇した。オリエンタルランドや任天堂、ゼンショーホールディングスが買われた。国内証券が目標株価を引き上げた雪印メグ、東証スタンダードでは、創立25周年記念株主優待を実施すると発表した日本エコシステム、発行済株式数の1.07%上限の自社株買いを発表した横田製作所、東京商工リサーチ調査で取引社数増加率第1位となった住信SBIネット銀が買われた。
 
 半面、資生堂や安川電機やコマツ、ファナックといった中国関連株は軟調。キーエンスやダイキン工業、信越化学工業が安く、東京海上ホールディングスや三井住友フィナンシャルグループ、日本郵政が値を下げた。